車高調整式サスペンションは本当に必要か?



 触れてはいけない話?いえいえ、ちゃんと理解していただく為に、間違った認識のまま装着されない為に、ぜひご一読ください。


巷で大人気の車高調整式サスペンション。価格が高い理由は?デメリットは?
いったいどれほどの方々が正確な必要性や情報をもとに装着されたでしょうか?

当店がある新潟は言わずと知れた豪雪地帯です。調整式のサスペンションを希望される方
の大半が 「ローダウンもできるし、冬には車高を上げられる」 という理由で装着を考えられて
いるようです。近隣、近県からくるメールでも同じ趣旨の問い合わせが数多くあります。

車高は基本的には上がりません。車高調整式のサスキットは固定式の物よりも設定
車高が低くなるのが一般的です。その状態からもしノーマルなみに上がるとすれば
有効ストローク (その車のその長さのダンパーの理想の上下動) において不自然な
設定であることになります。「ストロークが短い=車高が低い」 ということですので
「ストロークが長い=車高が低い=ダンパーが底突きする」 となるワケです。この
文面からも懸命な方ならば 「あっ!」 とお気づきになったかもしれませんが、その車
のそのサスペンションのレートでのベストポジション、実は自ずと決まってくるのです。

ましてやネジ部が錆びや汚れで固着する事などザラですし、万が一、頻繁に高さを
変更するような使用状況であったとしても、都度アライメントの調整も必要となります。
とても万人にオススメできるサスキットとは言い難いのです。



もともとはシーズンを通してシリーズチャンピオンシップを戦うレースシーンから生まれました。
イコールコンディションの車体で0,1秒のしのぎを削る世界では、サスペンション セッティングが
勝敗を分ける場合が多々あります。各サーキットに合わせてスプリングレート (バネの強さ) を
変更する必要があるワケです。その都度、レートの変化によって理想的なポジション(車高)が
都度変化しては空力やアライメント設定が困難になります。それでロア シートが可変できる
減衰力もバネレートも変更可能な調整式サスペンションが必要となったのです。


ストリートにおける必要性

レースシーンのイメージから来るカッコ良さ、あるいは本当にサーキット走行を楽しむ、あるいは
絶対的な車高の低さは車高調整式ダンパーの得意とする分野なので 「これだけはゆずれない」
という何かがあれば、それを装着する意味や必要性が生じることになります。ストロークの関係上、
思いきったローフォルム (車種によっての違いはありますが具体的な数値としては5cm以上) で
フラットな乗り味を確保する手段として、車高調整式サスキットは有効となります。ストリートにおい
ては機能よりも感性がそれを求める、ということが本筋からは外れますが重要な要素となります。



通常は固定式のサスペンションがストリートユースにおいては耐久性やコストパフォーマンス、常識の
面から考えればベストであることは事実です。とはいえ、「そんな物、ストリートでは必要ないでしょう」
と言っていたB社までもが車高調整式サスキットをデリバリーする昨今、最終的な判断はユーザー側
にゆだねられています。「売れるから作るのか?作るから売れるのか?」 自分に本当に必要な
サスペンション キャパシティなのか、真剣に考えてから購入することをお勧めします。

減衰力調整と車高調整は言葉は似ていてもまったく異なるのは周知の通りです。
ダンパーの減衰力 (バネの反発を抑える力) は好みで設定できる方が良いでしょう。
ここで触れているのは 「車高調整」 のお話しなので、お間違えなく。